「 不明(通称はんざし) 」
チームラボ有志/もの作り
少年の家には手に入れたときから、うんともすんともいわないカセットがあった。当時流行っていた遊びを、家中のカセットで片っ端から試していたある日、そのカセットは奇跡的にゲームとして産声をあげた。遊びの名は「半差し」。 一度でも抜いてしまえば、二度と同じゲームはできないかもしれない。パッケージに刻み込まれた固定用セロテープのあとが、少年の努力を伺わせる。開発者が意図的に紛れ込ませたのか、ただのロットの問題であったのか。今となっては、真実を知るすべもないが、シューティングゲームであることは確からしい。